シャドーイングで効果を出すやり方ができていますか?初心者におすすめの手順を徹底解説【勉強方法や論文も紹介】

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この記事を読んで目指せる状態
  • シャドーイングで得られる効果と正しい手順を踏まえて実践できる
  • シャドーイングがうまくできない場合の解決策が分かる
  • シャドーイングの練習に適したアプリを使って効率的に英会話力を鍛えられる

シャドーイングの効果・正しいやり方・練習方法について気になる人は、一読して実践に移りましょう。

また最近ではAIと英会話をかけあわせたアプリも増えており、マイナビ学生の窓口でも紹介した「マグナとふしぎの少女」は発音スピードなども調整できるので、初心者でも使いやすいという声を多く耳にしました。

一般的な効果から科学的な根拠まで理解しつつ、手軽なアプリなどを活用して実際の行動まで結び付けていくことが重要だと言えそうです。

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目次

シャドーイングとはネイティブの音声より遅れて英語を発話する訓練

シャドーイングとは、流れてくる英語音声のすぐ後を追って復唱する英語の勉強方法です。

シャドー(影)が意味するように、音声を聞き終わってからではなく、流れてくる音声を影のように追いかけながら発声するのがポイント

音声を聞いてすぐに発声するので、正しいアクセントやリズムを覚えやすく、英語の聞き方や話し方のコツを自然と身に付けることができます。

そのうえ、音声だけを頼りに口頭で繰り返す方法であるため、集中力も鍛えられる勉強法です。

この点で、リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えたい方には、シャドーイングは非常に効果的な勉強法といえます。

シャドーイングによって感じられる効果を5つ紹介

シャドーイングによって感じられる効果を5つ紹介

シャドーイングは、リスニングの上達だけでなく、英語を正確に発声する力も同時に鍛えられる効率的な練習方法です。

黙読やただの音読とは異なり、耳だけで音声を聞き取り発声も行うため、リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えられます。

英語を勉強するうえで非常に効果的といわれていますが、おすすめの理由や英語力の向上にどのように寄与するのか、具体的に解説していきます。

ネイティブの英語特有の音声変化やリズムに慣れてリスニング力が向上する

シャドーイングは、リスニング力を向上させます。

流れてくる音声を忠実に聞き取り再現することで、リエゾン(音の連結などの英語特有の音声変化)が理解できるようになり、英文の音に慣れやすくなるからです。

ネイティブの音声が収録された教材を使えば、音声変化と速度に耳が慣れていき、ネイティブが話すスピードの英語を聞き取れるようになります。

最初に「リスニングが難しい」と感じてしまう原因は、ネイティブの発音を言語として捉えきれていないためです。

しかし何度も反復して聞き直すことで、言語として聞き取れる音が増えていきます。英語特有の音声変化やリズムに慣れて、多少聞き取れない箇所があっても、意味を推測して理解できるようになっていくはずです。

※リエゾンとは、例えばDid you…?が「ディド ユー」ではなく、「ディジュー」と発音される状態のこと。

ネイティブの舌や喉の使い方を真似することでスピーキング力が身に付く

ネイティブと同等のスピーキング力が身に付く

音声のすぐ後に続いて発声していくため、スピーキング力向上に繋がるとされています。

聞き取るだけではなく、実際に自分で発声してみることで、ネイティブに近い発音やイントネーションが身に付くためです。

音読とシャドーイングはいずれも口頭による訓練のため、スピーキング力と強い相関関係があると示唆されています。

参考:飯野厚「シャドーイング練習が英語スピーキング力とシャドーイングの認識に及ぼす効果」『法政大学多摩論集』(2014年, 法政大学多摩論集編集委員会) pp.105-121

そもそも、英語のスピーキングが日本人にとって難しいといわれる所以は、「日本語にない音が英語にはあるから」です。

例えば、「L」や「R」なども、厳密には日本語に全く同じ音が存在するわけではありません。

どちらも聞き慣れない音のため、そもそも発音することも難しいというわけです。

そのため、ネイティブのスピーキングを何度も聞いて、舌や喉の使い方を真似する必要があります
試行錯誤しながら発声を繰り返すことで、ネイティブに近いスピーキング力を習得できるようになるのです。

自分で英語を発声することで内容の理解が深まり語彙力・英文法理解力が鍛えられる

実際に経験された方も多いと思いますが、単語やフレーズの発音を何度も繰り返すことで、圧倒的に記憶は定着しやすくなりますよね。

さらに、発声することで自分が理解できていない英文の内容が明確に把握できるうえ、なんとなくで学習を進めてしまうことを防げます

シャドーイングに実際に取り組む前に、意味を調べたりフレーズが意味しているものをイメージしたりすることで、文法も習得できます。

そのため、シャドーイングで語彙や表現をインプットしたら、何度もアウトプットして自分が理解できているかを確認することが重要です。

そのようにして、多くの文章やフレーズに触れながら自分で口に出していくことで、語彙力も身に付き文法も理解できるようになるというわけなのです。

英語特有のアクセントやリズムを意識して発声することでネイティブに近い発音を体得できる

どの言語でも、その言語特有の発音やリズムが存在します。

その発音やリズムは、実際に音声を聞いたうえで、実際に自分の言葉で発さなければ習得できません

英語は特に、日本語よりもアクセントやイントネーションが重要だといわれている言語です。

例えば、発音記号やアクセントの位置について英語辞書や教科書で学んでいたとしても、それらを知っているだけでは英語でコミュニケーションを取れるということにはなりませんよね。

シャドーイングではスクリプトの意味やアクセントの位置まで意識しながら、自分でも発声を繰り返すため、流れてくるネイティブの音声のリズムに慣れていきます。

自分の口から英語を発することになるため、発音やアクセントを誤魔化すことはできません。結果的に、ネイティブに近い発音を体得できるのです。

英語を日本語に変換せず英語のまま理解できるようになる

英語を理解する際には、流れてくる音声を無意識のうちに日本語に変換する作業を行っていませんか?

しかし、シャドーイングは行っていくうちに、英語を日本語に翻訳せず、英語を英語のまま理解する流れが自然と身に付きます。

リーディング中心に学習を進めていると翻訳することに慣れてしまうため、英語のまま理解することは容易ではありません。

シャドーイングを使って、聞こえた音声を英語のまま理解できるようになるだけで、英語でのコミュニケーションは非常に楽になります。

シャドーイングで効果を感じるための正しいやり方を手順ごとに紹介

シャドーイングで効果を感じるための正しいやり方を手順ごとに紹介

「シャドーイングは英語を追いかけて発音するだけだから、頭も手も使わなくて楽じゃん」
と考えた人もいるでしょう。

しかしシャドーイングで重要なのは、英語を英語のまま理解できる状態を目指すことです。
英文をひたすら音声の通りに繰り返したり、意味も分からずになんとなく発声したりするだけでは、シャドーイングで期待する効果は発揮されません。

最初は流れてくる音声のスピードが速く、同等のスピードで発声するだけでも精一杯のはず。

英語をそのまますばやく理解できるようになるには、シャドーイングに取り組む前の、英単語の意味の調査や文法理解などの事前の準備が不可欠なのです。

シャドーイングで効果を感じるためのやり方・手順を紹介

シャドーイングで効果を出すためには、準備段階から正しい方法で行う必要があります。

以下、効果を出すためのやり方とコツを順に紹介しますので、これから取り組む方はぜひ参考にしてみてください。

現在の英語スキルで内容を80%以上は理解できる教材を利用する

現状のスキルで、最低でも80%以上理解できるレベルの教材を選びます。

リスニングの時点で、全く意味が理解できずに意味を調べる時間や学ぶ時間がかかってしまって、シャドーイング自体の練習ができない事態を避けましょう。

シャドーイングを行う前に教材のスクリプトを読み込み内容を理解する

教材を選んだら、シャドーイングを始める前にスクリプトを読み、現時点で分からない単語や文法については調べておきましょう。

スクリプトの意味が分からない状態でシャドーイングを行っても、内容を理解しないままただ音をなぞるだけになってしまい、英語力は向上しません。

また意味を理解すると同時に、正しいアクセントの場所やイントネーションもしっかり理解しておくと、その後のトレーニングが楽になります。

長文を一気に読もうとせずチャンクごとに分けて瞬時に意味を理解する

スクリプトを熟読しながら、意味の塊(チャンク)ごとに分けて、瞬時に意味を理解する練習をします。

例えば以下のオリジナル文章をご覧ください。

I was nervous when I wrote my first letter, but I will write again today because I will never forget the joy I felt the day I received your reply in a stylish envelope.

英語に不慣れな人が一気に読み進めようとすると、何を言いたい文章なのか読み取りにくいかもしれません。

そこで意味の塊ごとに”I was nervous(緊張しました)””when I wrote my first letter(初めて手紙を書いたときは)””but I will write again today(でも今日もまた書きます)”と区切っていきます。

チャンクごとに読んでいくと、順番に内容を読み取っていけますよ。
(和訳:初めて手紙を書いたときは緊張しましたが、おしゃれな封筒に入ったお返事を受け取った日の喜びが忘れられず、今日もまた手紙を書きます。)

アクセント・リズムなどを含め正しい発音を忠実に真似して音読する

スクリプトを見ながら、音声をよく聞いて、同じように読み上げていきます。
正確な発音・アクセントの場所・リズムなどを忠実に真似していきましょう。

音読に慣れたタイミングでシャドーイングを実践・徐々にスクリプトを見ずに挑戦する

音読に慣れたら、次は実際に、シャドーイングを行います。

慣れるまでは、スクリプトを見ながらでも構いませんが、徐々にスクリプトを見ずにシャドーイングに挑戦できるよう、移行していきましょう。

録音した自分のシャドーイング音声をチェックして聞き取れなかった箇所は分析・改善する

シャドーイングができるようになったら、自分のシャドーイングを録音して確認します。

聞き取れなかった箇所について理由を分析して、改善することが重要です。

シャドーイングのやり方が分かる動画で練習方法をチェックしよう

以下の動画では、シャドーイングの効果的なやり方・考え方について具体的に解説されています。

まずは、こちらの動画を見てシャドーイングへの理解を深めてみてください。

①の動画では教材を使って、自分でもシャドーイングに取り組みながら、ポイントを押さえられます。

②の動画はバイリンガルのATSUさんが、実際にシャドーイングを行う様子を参考にできます。

聞き取れない箇所が、自分では発音できない箇所」であることを前提に、口から英語を出すことで聞き取れない箇所を明確化すべきと強調。

その後、なぜ聞き取れないのか原因を分析し、理解できていない発音のルールや語彙について学び直すことが大切と解説しています。

上記の解説動画を使って弱点を克服していくことで、シャドーイングの効果も最大限に発揮されるはずですよ。

シャドーイングの効果的な学習方法や教材の選び方について研究論文を参考に解説

シャドーイングは、様々な方法で検証されている効果的な英語勉強法の一つです。

論文の中では、実際に行われた実験について、調査対象者や実験方法、実験結果まで細かく紹介されています。

これまでにどのような実験や検証がなされてきたかを知って、自分の練習方法に活かしてみてはいかがでしょうか?

論文①反復練習とレベルの合った教材でシャドーイングが効果的に

論文タイトル:繰り返しのシャドーイングへの効果:学習者はより多くの語を復唱できるか?
著者名:大木俊英
発行年:2014年
発行元:白鷗大学論集 第28巻 第2号

【論文の概要】

シャドーイングによるリスニング力向上の要因は、インプットされる英文の意味よりも音声に意識が向くためと考えられています。

その習性が最も顕著に見られるのが、「ボトムアップ・シャドーイング」といわれる未習教材を用いた方法であるとされています。

そこで、シャドーイングでは意味よりも音声への処理が優位に働いているという前提で、繰り返し練習した場合に音の聞き取り方がどのように変化するか、以下の観点から調査しました。

◎同じ英文を何回繰り返せば、効果があるか
◎内容語や機能語以外に、復唱の難易度についてどのような特徴があるか
◎初めての練習で復唱が困難だった語は、繰り返し練習することで復唱できるようになるか


研究結果や調査対象者へのアンケートを基に、上記3点について結論が出されているほか、シャドーイングの効果的な学習方法、今後の課題についてもまとめられています。

研究結果:教材の速度がリスニングの上達に大きく影響する

研究の調査対象者は、シャドーイングの練習に馴染みのある学生16名で、シャドーイングとアンケート調査を実施しました。

シャドーイング自体は通常通りの手順で30分ほど行い、その後で、困難に感じた部分をアンケートでヒアリングするというものです。

それらの検証で、以下の結果が得られました。

■1回目で復唱できなかった単語については、練習をつんでも復唱率は十分でなかった
■繰り返し練習することで多くの語を習得できるようになるが、以下の語については限界がある

・強勢のない機能語(前置詞や冠詞など)
・難解な文法を含むもの

など

また、研究結果より、教材の速度が上達に大きく影響していることが明らかとなりました。

つまりシャドーイングに取り組む際には、自身のレベルに合った速度の教材を使用することが大切です。
初めて聞いたときに、内容を8割以上聞き取れる教材を選べば、難易度が高くて挫折する可能性を下げられます。

また音声が長すぎても勉強が苦痛になるので、最初は3~5分程度で視聴できる教材を選びましょう。同じ教材を繰り返し使って、完璧に理解できるまでやり込むことで、英語が身体に染み込んでいきますよ。

※ただし内容をよく知っているもの・ある程度知識があるジャンルのものであれば、聞き取って理解できる可能性があります。自分が理解しやすい内容の教材を選ぶ場合は、スピードが速めのものに挑戦するのもいいでしょう。

論文②シャドーイングの効果は、集中的・継続的に行うことで発揮される

論文タイトル:リスニング力向上におけるシャドーイングの効果について
著者名:玉井健
発行年:2002年
発行元:日本通訳翻訳学会

【論文の概要】

著者は、TOEFLにおいてどうしても超えられなかった600点の壁を、シャドーイングの訓練を始めたことであっという間に超えてしまった経験からシャドーイングに興味を持ちます。

高校教員時代に生徒を相手に、シャドーイングを教材として持ち込めないかと試行錯誤して実施。結果、相当な反応があったことが、研究領域として取り組み始めた背景でした。

著者がどうしても解明したかった、シャドーイングで効果が出る理由やリスニングとシャドーイングの関わりについて掘り下げてまとめている論文です。

研究結果:集中的・継続的に訓練することが効果を長続きさせる秘訣

実験は、シャドーイングを実施するチームとそうでないチームに分け、午前中2時間のシャドーイングを6日間実施した後に、語彙力のテストを行いその結果から検証結果を得るというものです。

その検証から以下の結果が得られました。

  • シャドーイングによって正確な復唱技術が向上
  • 一定レベルまでの成長が早い
  • リスニング能力が向上しているのは、認識した音を一定時間保持しながら処理を行うという「作動記憶」の機能に関わる能力が効果的に訓練されているため

加えて、何より集中的・継続的に訓練をすることが、効果を長続きさせる秘訣だとも述べられています。

シャドーイングに取り組む際には、短期的にではなく、1回のトレーニング時間が短時間であったとしても長期的に取り組むべきだといえるでしょう。

論文③英語初級学習者の聴解能力向上にシャドーイングは効果的

論文タイトル:初級・初中級学習者を対象とするリスニング授業に対するシャドーイングの導入とその効果
著者名:平尾日出夫
発行年:2011年
発行元:立命館大学政策科学会

【論文の概要】

同時通訳養成課程での訓練法として利用されていたシャドーイングが、近年英語教育の学習法として注目されていることを取り上げ、シャドーイングを実際に授業に取り入れることでもたらされた結果についてまとめられています。

シャドーイングが学習者の音声認知の向上において効果があるとされていながらも、なぜ学習効果を生むのか。

科学的な解明がまだ十二分にされていないと考えた著者は、立命館大学政策科学部で入学時に行っているTOEFLで、初級レベルに該当した学生への授業にて実験を行いました。

どれほどの集中力を要し、授業の中でもどの程度シャドーイングに割くのかなどの分量まで細かく研究されている論文です。

研究結果:1回の実施時間は15分程度でも長期的に継続することが効果を出すポイント

実験の被験者は、立命館大学学生のうちTOEFLテストで初級レベルに配属された4クラスの学生です。

そのうちの2クラスを実験群、残りの2クラスを統制群として分けたうえで、シャドーイングを練習し、パフォーマンスを比較するというもの。

実験群に対してシャドーイングを約15分行った後、3~4名を指名し、スクリプトなしの状態でシャドーイングを行ってもらい評価します。

4月から12月まで2週間に一度15分のトレーニングを継続したのみですが、その結果、初級学習者の聴解能力の向上に、より優位に働いたとの検証結果が得られました。

この結果から、1回の実施時間はわずかでも長期的に継続することが、効果を発揮させる秘訣だと読み取れます。

シャドーイングをやっても身に付かない英語スキルは?

シャドーイングは、主にリスニング力とスピーキング力を向上させたい方に適したトレーニングであるといえます。

別の言い方をすると、それ以外のスキルは、シャドーイングをどれだけ正しく行ったとしても習得しにくいかもしれません。

シャドーイングで習得できるスキル・そうでないスキルを把握して、正しく効果の得られるトレーニングを行っていきましょう。

以下から、シャドーイングでは習得が期待できないスキルと、それを習得するためのコツを解説します。

ライティングスキル習得には効果が期待できない!自分が伝えたい内容を順序立てて書かなければ身に付かない

シャドーイングは耳と口のみを使用した、リスニングスキル強化のための訓練であり、書く作業を伴うライティングスキルの向上は期待できません。

英語の文章(スクリプト)を書けるようになりたい人は、文法の勉強や英作文で実際に手を動かすといった、別の方法でトレーニングする必要があります。

もちろんシャドーイングする中で、前置詞の位置や助動詞の使い方などが理解できるようになれば、ライティングに活かすことは可能です。

しかしライティングにおいてはスピーキングのように、英語が不完全でも自分の話す表情や抑揚によって、意思や感情を伝えられるわけではありません。

相手に気持ちが正確に伝わるように、書くべき内容や伝えたいことを事前にまとめ、順序立てて書くのが効果的ですよ。 

難解な文章の読解力を伸ばすならリーディングに集中すべき

受験や資格試験などにおける、難しい文章のリーディング・読解に重きを置いてトレーニングしたい場合には、シャドーイングはおすすめの勉強法とはいえません。

シャドーイング成功の秘訣は、自分の現状のレベルよりも少しだけ高いレベルの文章が掲載されている教材を用いて行うこと。

自分にとって難解な教材を使用して、語彙力や深い読解力を身に付けようとするのは誤った方法です。難しくて内容を理解できず、学習の中身が空っぽになってしまいます。

さらには、文章の意味や文法などの調査に時間を取られて、シャドーイングの練習時間も削られることになるのです。

シャドーイングはあくまで現状のレベルで、リスニングスキルやスピーキングスキルを向上させるのが目的。複雑な文章の読解力を伸ばしたい場合は、上級レベルの語彙を増やしたうえで、リーディングに集中しましょう。

語彙力の向上が目的なら英単語に触れる機会を増やした方がいい

重複しますが、シャドーイングは、単語の意味や文法などの調査に時間をかける勉強法ではありません。

語彙力・単語力の強化ではなく、日本語を介すことなく音声をそのまま英語としてスムーズに理解するための、いわば「英語脳」を鍛えるトレーニングなのです。

もちろん、現状のスキルで理解できる単語ばかりではないでしょうから、シャドーイングを実践する事前準備として単語を調べる必要も出てきます。

そのため、語彙力向上のうえで完全に無意味ではないものの、最も伸ばしたいスキルが語彙力である方にとっては効果的な方法とはいえません。

語彙力を向上させるなら、単語帳を用意して、様々な英単語の意味や発音を学ぶことが必要です。 

シャドーイングで効果を実感するまでの期間、1日に必要な回数と時間は?

シャドーイングはもちろん効率的な勉強法ですが、効果を出すためには一定期間継続する必要があります。

もちろん効果が出る期間には、英語力の差や習得の早さの違いで個人差があります。

以下、実際に取り組んだ方の例を紹介していきますので、目安として参考にしてみてください。

期間:6ヶ月
時間:1日1時間
効果①:口がスムーズにスピーキングのスピードについていけるようになる
効果②:初心者向けの教材ならいきなり行って9割ほどのシャドーイングができる

4ヶ月が経過した頃に、無意識で口が回る状態にまで上達したそうです。

実際に合計で半年ほど経って、発音やリスニングに対する確かな効果を実感できたとのことです。

ただ、初めから1日1時間を継続するのは初心者の方からすると非常に難しいかもしれません。

その場合には、まずは毎日10~15分など、無理のない時間を設定して1ヶ月継続しましょう。

1日に3時間取り組めたとしても、三日坊主では効果が現れないのは当たり前です。

可能な限り、長期間取り組めるよう意識して、1日あたりの時間を設定してみてください。

早く効果を実感したい方に関してはもっと超時間取り組んでも良いですし、1日20・30・40分と、段階的に伸ばしても良いでしょう。

シャドーイング上達に必要な回数に関しては、何回行えば効果的という目安の数字はないとされています。

英文によっても異なるうえに、難しい単語だけを何度も復唱する場合もあるはずです。

シャドーイングに慣れたいのか、シャドーイングの完成度をあげたいのかなど、その人の目的によってもやり方は変わるため、まずはシャドーイングの目的を考えてみましょう。

回数はその結果に過ぎないため、自分に合った方法で進めていくことをおすすめします。

シャドーイングがうまくできない初心者の原因と対処方法を解説

シャドーイングがうまくできない初心者の原因と対処方法を解説

実際に、シャドーイングを初めてみるとうまくいかないこともあると思います。

その場合には、とりあえず継続していくよりは、原因を分析して試行錯誤することがシャドーイング成功の秘訣となります。

以下、つまずきやすいポイントとその対処方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。 

スクリプトと音声を照らし合わせてオーバーラッピングの練習から始めてみる

シャドーイングができていないと感じるのは、ネイティブの音声が速すぎてついていけないことが原因かもしれません。

そのためには、スクリプトと音声を照らし合わせておく必要があります。

シャドーイングにおいて、スクリプトと音声を照らし合わせておくことは、耳から入った音声が何を言っているのか即座に理解するために必要な作業です。

「ゲラップ」という音を聞き取れても、その音がスクリプト上では「get up」のことだと認識しなければ、音を聞いて単語の意味を認識することができませんよね。

その場合には、オーバーラッピングから始めることをおすすめします。

オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながらお手本の音声にぴったりと合わせて発声するトレーニングのことです。

この際に、音声のスピードや強弱のリズム、イントネーションや意味までも調べておきましょう。

そうすることで、口が英語に慣れてきて、教材の内容をスムーズに読み進めることができるようになるはずです。

自分のレベルに合った教材を選び直す

自分のレベルに合った教材を選ぶ

シャドーイングを行うためには、事前に何度も音声を聞いて準備を行います。

その段階ですでに、全く音声の内容が理解できないと感じていませんか?

それは、教材内に知らない単語が多すぎて、意味を調べてもなかなか自分の中に定着していかないことが原因かもしれません。

その場合には、自分のレベルに合った教材や、自身が興味のある身近な話題の教材を選び直すことをおすすめします。

もちろん意味の調査や学習にかける時間も重要です。しかし知らない英単語を調べるために費やす時間が多すぎるのは問題です。

意味が分からなくてもなんとなくイメージができたり、1つ単語の意味が分かると文脈が掴めたりすることは、シャドーイングを行ううえでも非常に効果が発揮されやすい要素だといえます。

特に、身近な話題を扱ったものであれば、自分の学習に対するモチベーションも維持しやすいですよね。

実際の音声をシャドーイングした自分の録音と聞き比べる

シャドーイングがうまくできていないと感じる原因の一つには、流れてくるネイティブの音声通りに発話できていないことがあげられます。

例えば、「let it go」のアメリカ英語での発音は「レディッ ゴゥ」(母音に挟まれたtはdに近い音になるため)。この音は「フラップT」といい、日本人の耳には「レリゴー」と聞こえます。

しかしそのリズムを真似できずに「レット・イット・ゴー」と発音している場合などです。

英語にはこのように、フレーズが重なると独特のリズムに変わる場合が多くあるため、その音の変化をしっかりと聞き取る必要があります。

音声だけを聞いていても、自分の発音と合っていなければ意味がないため、その場合には自分の録音の音声を録って聞き比べることをおすすめします。

そうすると、自分が思っているより発音できていなかったり、アクセントがズレていたりしていることに気づくかもしれません。

自分の音声を聞くことには抵抗がある方もいるかもしれませんが、シャドーイングを上達させるためには、ぜひ取り組んでもらいたい方法です。

シャドーイングの効果を実感したい人からよくある質問と回答

シャドーイングの効果を実感したい人からよくある質問と回答

シャドーイングに関して、初めての方でも効果を実感できるやり方は複数あります。

ぜひ以下の回答を参考にして、効果の出るシャドーイングの方法を習得してくださいね。

シャドーイングは口パクでも効果があるの?

シャドーイングは口パクでも効果はあります。

なぜなら、自分の音声に邪魔されることなく、はっきりお手本の音声を聞き取れるからです。

お手本が正確に聞き取れると、より正確に発音するための土台が形成されます。

ただし内容を聞き取って理解できたら、今度はきちんと声に出して、実際に正確な発音を目指していきましょう。

シャドーイングをするのが恥ずかしい場合、代わりの学習方法はある?

口に出して、シャドーイングを行うのが恥ずかしい場合は、先ほど述べたように口パクから始めましょう。口には出さないため、発音の向上には期待できませんが、リスニング力には寄与します。

シャドーイング中に、自分の声で音声が聞こえない場合の対処法は?

もちろん、聞いている音声のボリュームを上げることや、自身の声のボリュームを下げることが対処法としてあげられます。そのほかに、イヤホンで聞いている場合には、片耳のイヤホンを外して、残りの片耳で音声を聞くようにすると解決できるでしょう。

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