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創薬にAI活用!? 日々進化している製薬産業についてのイベントへ潜入調査創薬にAI活用!? 日々進化している製薬産業についてのイベントへ潜入調査

突然ですが、皆さんは新しい薬がどのように作られているかを知っていますか? 「白衣を着た人がフラスコを振っていそう」「粉をいろいろと調合していそう」とイメージをもっている人が多いのでは。 かくいう私も、あまりイメージができていなくて……。そんななか、製薬産業について理解を深めるイベントがあるという情報を耳に。いろいろな業界を研究中の私としては、興味津々! ということで、早速イベントに潜入しました。

 今回レポートしてくれた現役大学生

 井上さん

千葉大学教育学部3年生。将来は出版業界で編集者になることを目標にしているが、視野を広げるためさまざまな分野を調査中。

製薬産業ってどんな産業なのかな?製薬産業ってどんな産業なのかな?

いざ、『中高生と考える、次世代の製薬産業のあり方』というイベントへ!

会場には、すでに中高生の姿が。医療や製薬に興味のある学生さんが、なんと全国から結集したのだとか! さらに大阪会場と福岡会場とはオンラインでつながっており、イベント開始前から活気があふれていました。

第1部スタート!

第1部は、東京大学薬学部の教授で、AIの専門家でもある池谷裕二先生の講演『脳をAIで治療する』からスタート。
今、AIがどれだけ創薬に役立っているかという話を教えて下さいました。

たとえば、うつ病や新型コロナウィルス感染症の薬は、AIが膨大な情報のなかからデータ分析して誕生したこと、AIが画像でがんの悪性腫瘍を見つけられるという「人工知能が目をもった」話。

また、体が動かない患者さんの脳に電極を埋め込むと、脳で想像した動きを実現でき、手に装着したロボットアームでチョコを取って食べられた(!)というエピソードも。先生の熱意ある講演に、学生の皆さんは釘付けに!

続けて、株式会社エクサウィザーズ代表取締役社長の石山洸さんによる講演『スタートアップ視点の創薬ビジネス』。
AIを用いた創薬を事業として行っている石山さんから、現在の仕事に就いたきっかけとリーダーシップ論を聞きました。

石山さんは、大学2年生のときに、アメリカの大学で人工知能のプログラミングコンテストが行われることを知り、そこから人生が激変。「予選を通過したらアメリカにタダで行けると聞いたので、予選までの2週間の間にプログラミングとAIのことをイチから勉強しました。最終的にはそのアメリカ行きも果たしました!」とのこと。

現在石山さんが経営するエクサウィザーズのミッションは「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」。会社には、創薬とAIの両方におけるプロフェッショナルの“二刀流”がたくさん在籍していて、その組織のリーダーとして問われるのは、共感力の高さや周りを和ませる力だとか。そして、最後に、「社会課題で今1番注目されているのは、創薬の分野。創薬界の大谷選手になるような人が、この会場から現れてくれるといいなと思います!」とメッセージを送り、石山さんの温かくも熱いお話に、学生さんたちは目を輝かせていました。

大学生・井上さんの感想大学生・井上さんの感想

AIや創薬の話は難しいのだろうなと思っていたけど、とてもわかりやすく伝えて下さっておもしろかった! 会場にいる全員がこの分野に興味をもったのでは? と思うほど、全員が話に引き込まれていました。

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企業ではどういうことに取り組んでいるの?企業ではどういうことに取り組んでいるの?

AIを使った創薬や治療についての理解を深めたところで、製薬業界をけん引する皆さんにさらにお話をお伺いします!

第2部では、厚生労働省で薬の審査を長年担当していた製薬協 専務理事の森和彦さんがモデレーターを務め、パネルディスカッションが行われました。登壇者は、第一部で講演をして下さった池谷先生と石山さん。そして、塩野義製薬株式会社の代表取締役会長兼社長CEOの手代木功さんです。テーマは『創薬の未来~日本の製薬産業はどこに向かうべきか?』で、創薬の世界は今、変革期に来ているという話からスタート!

第2部スタート!

塩野義製薬の手代木さんによると、「薬は、本来、開発までに平均的には10~15年かかる」とのこと。ところが、コロナのワクチンは1年ほどで完成し、コロナの治療薬は約2年で誕生するという驚異を成し遂げました。「これは通常の5分の1ほどのスピード。この速さを標準にできないか? というのが、今後の製薬業界の課題」と、おっしゃいます。

しかし、新薬の開発は非常に難易度が高く、「開発をしても、世に出るのはそのうちの2万分の1だけ」という話も。 私たちが病気になった時に処方されるお薬は、とてつもない努力によって作られているのだな~! と、ただただびっくり。長い期間に渡って、チームで力を合わせて成し遂げる薬作りの世界では、「人間力とアナログ力が大事!」というお話や、手代木さんの「医師は向き合う一人一人を救う。新薬の開発は世界中の何十万人、何百万人の命を救える」という言葉も印象に残りました。

池谷先生によると、みんなで知恵を振り絞って作るという意味では、「創薬の“創”はクリエイティブという意味」だとか。「創薬には、芸術的な側面がある。そして、たくさんの技術と経験の結晶といっていい。この作業を、人類の知能だけでなくAIやロボットの力でさらに形を変えていこうとしている。今はまさに変革期!」と、力強くおっしゃいました。

そして、実際にAIを用いた創薬の仕事をしていらっしゃる
石山さんは、「この仕事は、AI、プログラミング、ケミス
トリーやバイオロジーを混ぜ合わせた、エキサイティング
な分野」と表現し、この仕事をやっていくには、今後はグローバルな考え方もますます大切になってくる、とも。「今は、世界中のいろいろな分野の人たちが、アルツハイマーやパーキンソン病などの難しい病気を解決しようと、一緒に活動しています。世界の人と協力しながら問題を解く力が重要です!」
お三方の熱い談義に、学生の皆さんは魅了されっぱなしです。

大学生・井上さんの感想大学生・井上さんの感想

創薬がクリエイティブで芸術的な仕事とは、思ったこともありませんでした。それから、グローバルな視点も大切だと知って、奥深い仕事なのだなあ! と刺激を受けましたね。

イベントを通して気になったことを、リアルに直撃!イベントを通して気になったことを、リアルに直撃!

パネルディスカッションのあとは、Q&Aセッションが行われました。それまで食い入るように話を聞いていた学生の皆さんから、続々と質問が! そのなかでも印象的だったのが、「自分が開発していた薬が日の目を見ない可能性について」。

この素直な質問を受けて塩野義製薬の手代木さんは、「ひとつの薬を作るためには、実に多くの専門家が携わります。チームとして1個の作品を作り上げていくときの喜びは、何にも代え難い。この経験をするだけでも、大きな達成感は得られるので安心して下さい。そして時には、患者さんや患者さんのご家族から『この薬のおかげで人生が変わりました』というお手紙をもらうことも。創薬は、このような素晴らしい経験ができる仕事です」と学生さんに優しく回答しました。

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最後は、参加者の中高生同士で感想を共有!最後は、参加者の中高生同士で感想を共有!

第3部のリフレクションタイムは、参加者同士がこのイベントの感想を、述べ合う時間。たくさんの意見が交換されたけれど、なかでも気になったコメントをご紹介!

第3部スタート!

話を伺った学生たち!

将来は医者になりたいと思っています。でも、今日の話を聞いて、製薬業や創薬にも患者さんを救う道はあるのだと知り、製薬の道も考えようかと思っています。

人間の脳に本当にAIを入れて効果が出ていることを知って驚きました。
そこまで進んでいるとは思っていなかった!

製薬業界で仕事をしている家族から、『製薬は昔のほうが賑わっていた』と聞いていたけれど、今日のイベントに参加してもっと伸びそうな業界だ! と興味が湧きました。

大学生・井上さんの感想大学生・井上さんの感想

中高生の時点で、将来の仕事について話を聞くイベントに参加するために遠方から来ているだけでもすごいのに、それぞれ立派な感想を述べていて感動しました!

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イベント終了後、突撃インタビューしてみたイベント終了後、突撃インタビューしてみた

今回特別にお時間をいただき、登壇者のおふたりにお話を聞きました。学生たちへのメッセージをお願いします!

池谷先生

今日は、参加者の皆さんの熱意に心を打たれました。
AIの発展とともに、コロナ禍で製薬の制度自体が変わったので、これから10年ほどは製薬業界の変革期が続きます。さらに、今は高齢化社会。高齢のかたが病気になる前にできることはたくさんあります。臆することなく、自分なりの正義感やアイディアをもって、業界でどんどん挑戦してほしい。いい方向にぶっ壊していってくれることを期待しています!

石山さん

講演のときに、本当に驚きながら楽しそうに聞いている学生さんたちの姿を見て、ピュアな反応でいいなあと思いました。大人になると構えるようになってしまうので、ぜひそのピュアさをもち続けてほしいです。そして、これから何かを成し遂げたい人には、某海賊漫画の主人公のように、仲間と一緒に仲良くやっていく力を身につけてもらいたい。周りに「この指とまれ!」といったとき、みんなにも「やりたい!」と思わせる力。それは、経営学の分野では「センスメイキング理論」と呼ばれています。柔らかさやしなやかさを身につけて、チームでイノベーションを起こすことにトライしてほしいです。

製薬業界に対しては、もともとは、難しくて真面目な人が働いているというイメージをもっていました。でも、今回いろいろな方の話を聞いてみて、こんなに可能性を秘めているおもしろい分野なんだ! と驚いたし、中高生の皆さんの積極性にも刺激を受けて、視野が広がりました!
この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ製薬業界について調べてみてくださいね。

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提供:日本製薬工業協会